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校長室 ~校長の自然探索~ 「ふるさと散歩」

島見の歌

 大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば国原は 煙立ち立つ 海原は かもめ立ち立つ 美まし(うまし)国ぞ 蜻蛉島(あきつしま) 大和の国は これは万葉集にある舒明天皇の国見の歌です。その意味は「大和の、天の香具山に登り国を眺めてみると田園からかまどの煙りがたちならび、海原に出ればかもめが飛び立ちなんと美しい国だ。あきつしま、大和の国は」という意味です。 「うまし」とは美しいという意味の古語です。あきつしまとはトンボのことで、日本列島のことをさします。湿原、水田の多い日本をトンボの形になぞられたのでしょう。
 ところで、新潟県にもこれに似た風景を眺められる場所があります。佐渡の椎崎温泉の「ホテルニュー桂」屋上は、これに勝るとも劣らないすばらしい風景を眺めることが出来ます。男性的で急峻な大佐渡山脈と女性的な緩やかな山並みの小佐渡山脈。両津湾と加茂湖が一望に見え、棚田が見渡せ海鳥が舞っている風景は、この国見の歌の風景と似たものと思えます。関西の方が佐渡を訪れるとなぜか懐かしい感じを覚えられると聞きますが、やはり似たような風景を有しているのではないでしょうか。
 トキの野生復帰関係の仕事で、佐渡をおとずれる度に海岸まで迫るような緑の山並みに感動します。また国中平野や真野湾の美しさは格別です。それだからこそ佐渡は豊かな自然が残り、最後までトキが成育できたのでしょう。 佐渡を「エコ・アイランド」にという構想がありますが、私はむしろ「美まし島」(うまししま)と呼ぶべきではないかと思っています。「美しい」とは人々にとって心の滋養を養う風景であると思います。と同時に人々の安らかな暮らしと豊かな農産水産物がとれる環境こそ、「美まし」の指し示すことなのではないでしょうか。 新潟はこのような美しい風景がたくさんあります。それを誇りとするあり方を考えたいと思うのです。

<<尾瀬   お月見>>

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