そろそろ新潟の街中でもトンボの姿を見かけます。このトンボはウスバキトンボ(薄羽黄トンボ)といって毎年、東南アジアや南西諸島から飛んでくるトンボです。つまり海を渡ってくるトンボなのです。私も、本当に海の上を飛んでいるところを佐渡汽船の上から確認しました。
なまえの通り、体が薄黄色くて、かなりすばやく飛びます。大きさは「赤とんぼ」くらい。時期としては赤とんぼより早い時期に新潟の街中を飛んでいます。産卵から羽化まで40日くらいで成虫になりますので、日本の池や田んぼ、身近なところではプールなどで発生しています。
このトンボはお盆にご先祖様の魂を運んできてくれるというので、お精霊とんぼとか盆トンボと呼ばれます。そのため昔から決して殺生してはいけないと伝えられてきました。考えてみればトンボはたくさんの稲の害虫を食べてくれるのですから、人間にとって大切な生き物であることを、昔の人は日々の暮らしのなかで気づいていたのでしょう。
そして、お盆に必ず見かけるので祖先の魂を運んでくるものとして感じ取ったのでしょう。
それを子供たちには、ご先祖様の霊のお使いとして、伝えることで大切にしようとしたのだと思います。
このウスバキトンボ、ヤゴが日本の寒い冬を越せないために毎年冬になるたびに死んでしまいます。ひと夏だけ日本で過ごせるはかない命なのです。それでも毎年、決して飛来することをやめない、南からの使者に祖先の魂を託する。そこに日本人の季節の変化や暮らしの中の営み、そして何より生き物に対する感受性を見る思いがします。
とかく忙しい現代社会。自分のことだけを考えがちな日々の生活。
ふとこのトンボを見かけたとき、そんな自然の営みと自分との関係を考えるきっかけになれば良いと思います。
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