昨年は本校の学生を連れて白馬岳に高山植物実習に行きましたが、今年は月山にと高山植物の観察に行ってきました。月山は朝日磐台国立公園内にある山です。1984メートルで2000メートルに満たない山ですが、緯度が高いため北アルプスの3000メートル級の高山植物が群生する山です。
また、古来より山岳宗教、いわゆる出羽三山信仰として有名な山です。
頂上付近標高1400メートルくらいに「阿弥陀が原」という高層湿原が広がっています。そこにはニッコウキスゲ、水芭蕉、チングルマ、ワタスゲなど高山植物が美しく咲き乱れ、池塘(チトウ)という池がいくつも草原のなかにあり、美しい風景を作り出しています。雲海が広がり、遠くに鳥海山を望み大変すばらしい眺望でした。
一方、湿原はアウトドアブームや登山ブームで踏み荒らしによる乾燥化が進んでいます。高山帯は圧力に弱い微妙な環境の上に維持されています。このため人間のちょっとした踏み荒らしや利用過剰のためおおきく壊れるのです。
たとえば新潟県の巻機山は今から30年くらい前には登山道から崩壊が進み、池塘も破壊され植物が甚大な被害にあいました。現在では多くのボランティアにより長年の復元と管理により破壊に歯止めがかかり、一部では復元も進みました。その苦労は大変なものでしたが、まだ昔の状態には完全に戻っていません。
巻機山は日本100名山になり登山ブームの中で利用過剰を招いたのです。
尾瀬でもアウトドアによる過剰利用は大きな問題になっており、利用規制や入山料の徴収なども議論になっています。日本の自然を守るためにはこのような規制も重要です。利用一辺倒のアウトドアブームや登山者の自然に対するマナーの向上は、自然を守る上で大変重要なのです。
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