郊外に出かけると、秋の野山を彩る花々が咲いています。春の花はこれから生命がまさに咲き誇る予感を私たちに感じさせます。一方、秋の花はこれから冬に向かって最後に私たちにしばしの暇乞いを告げるために咲いているかのようです。そのせいか、秋の花は春の花ほど鮮やかではありませんが風情があり、ひそやかに咲いているものが多いように思います。
秋の七草はオミナエシ、クズ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、萩、フジバカマです。この中では、現在新潟県ではキキョウがほとんど絶滅し、オミナエシも著しく減少しています。減少の主な原因は開発行為や外来植物による圧力です。
一方、現在一番私たちの目に付く花はセイタカアワダチソウです。ちょっとした広場や河川敷、庭さきでも小さな黄色い花がたくさん集まって、遠目でも大変目立ちます。このセイタカアワダチソウは外来種で北米から観賞用に持ち込まれたのが野外に広がったものです。このような植物をエスケープ・プランツといいます。このセイタカアワダチソウ、日本の在来植物を、その旺盛な繁殖力と根から他の植物が生えないような物質を分泌し広がっています。現代を代表する秋の花は間違いなくセイタカアワダチソウです。
このように私たちの行為が自然環境にあたえる影響は非常に大きいことがわかります。
私たちの祖先が見た秋の景色と、現在私たちが見ている秋の景色ではもうすでに大きく違います。さらに未来に秋の七草の一部が絶滅してしまえば子供たちはさらに外来種に覆われた日本の秋の風景しか見ることは出来ません。
そこには同じ草花や風景を、時を超えて楽しむことは出来ません。まさに現在日本の文化の断絶が起ころうとしているのです。そうなるかならないかは、まさに私たちのこれからの行為にかかっているのです。
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