12月になるとほとんど屋外では花を見かけなくなります。冬場に新潟は花が少なくなりさびしい感じがします。 冬に植物が花をつけない理由は、植物が花粉を飛ばし受粉することで種をつけ増えることと関係があるからです。花粉は風によって運ばれることもありますが、昆虫に運んでもらう場合が圧倒的に多いのです。そのため、昆虫の活動がもっとも活発になる4月から9月くらいまでに花をつける植物が多いのです。
しかし、逆に真冬に咲く花があります。 それがヤツデ(八手)の花です。ヤツデは日陰にも強い、ウコギ科の植物です。別名「天狗の葉うちわ」と呼ばれるとおり大きな手のひらのような葉っぱをした植物です。日本では庭の暗いところに植えてある、地味な木ですが、ヨーロッパではその葉の形がおもしろいので観葉植物として扱われています。このヤツデは11月から12月くらいに花をつけています。
なぜこのような昆虫のいない時期に花をつけるのでしょう。 実はこれにはヤツデのふかい戦略があるのです。ヤツデの花は小さい白い花で、地味であまり目立たない花です。しかし、花には甘い蜜を出します。こんな寒い時期にいったい誰が花粉を運んでくれるのでしょうか。 答えはハエの仲間なのです。ハエの仲間は冬でも飛んでいます。昆虫の数は少なくなりライバルは減りますが、逆に餌探しは大変でしょう。そんな冬の時期に花が咲く植物が、ヤツデなのです。つまり、あえて他の植物が花をつけない冬に花をつけて、少ない昆虫のほとんどを集め花粉を運んでもらおうということなのです。
他の植物とはまったく別なやり方で子孫を残そうとしているのがヤツデの増え方なのです。
植物でも本当にいろいろな性質と生態を持っています。それぞれの生態をいかせる環境で一生懸命に生きていることに気がつきます。冬の散歩道でヤツデに出会ったら是非その花を観察してみてください。
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