冬になると新潟市ではあまり花を見る機会がすくなくなる。雪が積もることでもあるし、自然の摂理として当たり前のことであるが何となく寂しい思いに捕らわれる。しかし、だからこそ春を待ちこがれる気持ちになるのであろう。 ただし、冬場でも花を付ける数少ない植物がある。ご存じ、サザンカや椿の仲間である。
サザンカの花期は11月から12月ぐらい、椿は秋咲き寒咲きもあるが一般の藪椿や雪椿は木に春と書くとおり3月から4月ぐらいに花を付ける。どちらも園芸的にも早くから多くの品種が作出され江戸時代の初めの頃から多くの品種が作られてきた。サザンカと椿は花の咲く時期により見分けたり、花の散り方がサザンカははらはらと一枚ずつ散るのに対して椿は花ごとぽたっと落ちるものが多い。だから武家の家ではその散り方が首が落ちるのを連想させるので椿は家の中には植えないということもきいたことがあるが、これはどうやら俗説のようだ。
日本の椿は世界中の園芸品種の椿の原種になっておりその意味で貴重なものである。椿の語源であるが「厚葉木」(あつばき)、「艶葉木」(つやばき)といったように葉が厚くつやつやしているところからきたものらしい。照葉樹を代表するの1種である。新潟県はこの椿のうち藪椿と雪椿がどちらも自生する場所なのである。新潟市やその近郊、海岸部には藪椿が新津丘陵を初めとして山間部には雪椿が自生している。しかも新津丘陵では両者が混じったものが見られるとのことである。これを両者と区別するうえでユキバタツバキというらしい。
雪椿は高くならないで横にはうように成長する。新津丘陵では林床部に低木としてよくみかける。これは、雪にあって積もっても木が折れずにすむ強みがある。逆に雪を巧みに利用している部分もある。それは雪の中に埋まってしまえば氷点下以下にはならずにすむし、むしろ寒さや乾燥から身を守る事ができるのである。植物がいかに多様に分化して環境に適応してきたかの一端がわかる。 雪椿と椿を初めとし園芸植物において、日本の在来野生植物の果たしてきた役割は非常に大きい。輝かしいものの例えはバラなどが日本のノイバラ、テリハノイバラ、が大きな原種になっているしハイドランジアいわゆる西洋アジサイは日本のアジサイを原種としているのは有名なことである。
一方園芸的利用は陰の部分を有している。例えばカサブランカ、スターゲザーといったユリを品種改良するため日本在来の原種タモトユリをすさまじい組織的乱獲したため野生絶滅まで追い込んでしまった。 現在、山野草ブームで可憐な野山の山草を栽培したいと思う人が増えている。それ自体は自然回帰の現れであろうが稀少なものについては山取りはやめるべきだし、流通過程でそのようなものが疑われるのであれば購入するべきではない。というのは日本の植物種のうち危機に瀕している原因の2番目には園芸採取があがっているのである。山野草は本来野にいでて楽しんでほしい。そういう姿勢こそが野生植物を守ることにつながっていくのです。
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