学校法人 キャリアテクニカ学園 ロゴ

日本自然環境専門学校

自然環境保全をリードする人材を育てる「環境の総合専門学校」

環境緑化の種類と効果

環境保全と緑化の関係

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緑化とは

緑化は緑がない場所に植物を植え、植物の持つ何らかの機能を利用しようというものです。その何らかの機能によりいくつかのパターンに分けることが出来ます。また、緑化と聞くと何となく環境に良さそうな感じがしますが、自然環境や生態系に悪影響を与える場合もあります。

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人工的な環境に緑を増やす

公園、街路樹等の緑化

街路樹の例
街路樹のある風景

主に景観を良くし、人々に癒しの空間を提供することを目的とした緑化です。使われる植物も見た目に美しい園芸植物や造園花木が用いられ、既存の造園的技術が使われます。街路樹は排気ガスの浄化機能という環境機能を少しだけ期待できます。都市部に公園等の緑地帯が多くあれば、大気汚染・ヒートアイランド現象等の環境問題を和らげることが出来ます。

個人庭園の園芸・造園

ガーデニング
ガーデニングブームで庭に緑が増えた

こちらも植物を植えるという意味では緑化に近いのですが、緑化とは言わないことが多いです。各家庭が緑を増やすことにより環境保全に貢献すると考えられます。建築会社の一部では庭に樹を植え、環境保全に貢献することを売りにしています。

建物の一部を緑化しエアコンの効率等を上げる環境緑化

壁面緑化
ビルの壁面緑化

地球温暖化防止やヒートアイランド減少の緩和を目的とした緑化で、植物の持つ環境機能を生かすためにビルの屋上や壁面などを緑化し、建物内への熱の浸入を防ぐ目的で行われます。特殊な環境に植物を生育させなければならないので、既存の造園・緑化技術の他に特別な技術が必要となります。

自然度が低い都市部に豊かな自然生態系を復活させる緑化

ビオトープ
当校設計施工のビオトープ 街中の幼稚園

当校で実践しているビオトープの造成では生き物の生息空間を創出する目的で行われ、植物も生育させるので緑化の一種になると思います。生育した植物の種類等によりそこに生息する昆虫や動物の種類も変化していきます。これを行うには、既存の造園の技術と生物、生態系の知識、生物調査の技術が必要になります。

関連するトピック
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自然生態系の中に環境保護の観点などから緑を増やす

自然保護のための植林・植樹

植林後の様子
植林後の様子

スキー場の跡地や伐採跡地に豊かな森を取り戻すために、木を植えるのも緑化の一種でありますが、どちらかと言うと林業の要素が入ってきて植林、植樹と言ったほうが一般的かもしれません。日本全国で企業のイメージアップの戦略として木を植えるイベントを開催しているのをよく聞きます。


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砂漠など植物の生育が困難な環境に緑を増やす

砂漠
緑がない砂漠

地球上の砂漠化問題は深刻で、毎年四国と九州を合わせた面積が砂漠化していると言われています。このような場所に植物を植えるには特殊な技術と時間が必要で、緑化の手法も完全に確立しているとは言えない状態です。国内でもいくつかの企業が海外協力等で砂漠の緑化に挑んでいるようです。


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工事などで壊した環境に緑を増やす

フレーム工法の一部を緑化
フレーム工法の一部を緑化

山地や河川など大規模な工事を行うと、もともとあった緑は破壊されます。一般的にここで行われる緑化は、生態系の保全のために行われるわけではありません。植物を成長させ、植物の根をはらせることで土の流出を防ぐ機能を期待して行われます。


外来種の種子を使った緑化は生態系のバランスを崩す可能性が・・

外来植物
外来植物イタチハギ
使用禁止されている県もある

工事後の緑化では、大量に種子を使用するため、安定的に大量の種子を仕入れられることが重要となります。また、速やかな成長による土留めの効果を求められるため、外来種の種子が使用されることが多いようです。山地や河川で使用された緑化植物の種子が下流域まで分散し、外来種問題をおこしている例は多数あります。生態系の中に外来種が増えるとバランスが崩れ在来植物の減少を招く恐れがあります。

その他にオオキンケイギクやハルシャギクなどについては過去、河川の緑化で使われましたが、今は特定外来種として環境省で規制しています。


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環境緑化と効果について

上記で説明した各種緑化のうち植物のもつ環境機能(冷却効果、大気汚染浄化機能等)を利用する緑化を環境緑化と考えます。その中でも、近年注目されている屋上緑化や壁面緑化は地球温暖化防止やヒートアイランド現象の抑制に効果があるとされ、今後の成長分野になると考えられます。

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屋上緑化・屋根緑化や壁面緑化が環境に良い理由

ゲリラ豪雨とヒートアイランド現象

ゲリラ豪雨
局地的に豪雨に見舞われている
ヒートアイランド現象
都心が赤く、気温が高いのが分かる。
2010年8月の平均気温
国土数値情報メッシュデータより当校作成

近年夏の都心ではゲリラ豪雨による被害が多発しています。その原因としてヒートアイランド現象が挙げられ、都市が出す廃熱とビル等のコンクリートが蓄熱することによります。エアコンをかけると室内の熱は屋外に放出されます。また、コンクリートは熱を吸収してため込み、夜になっても熱を出し続けます。局所的に気温が高い場所があると上昇気流が起き積乱雲を発達させゲリラ豪雨を発生させると考えられます。

環境緑化の効果

緑化しないと熱くなる
コンクリートが蓄熱・放熱する
環境緑化で効果あり
植物の蒸散作用により冷やされる

植物があることにより、コンクリート面への熱の伝達がさえぎられ、コンクリートが熱をため込むことは無くなります。また、建物内への熱の浸入を防ぐので、エアコンの効率が上がり、温室効果ガス(CO2)の排出を抑制できます。さらに、植物は生育する過程で絶えず水を蒸散させており、それにより周囲の熱を奪うので冷却効果を期待できます。


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壁面緑化の特徴

壁面緑化
壁面緑化は専門技術が必要

よく緑のカーテンとしてゴーヤ等が使われていますが、地面にプランターを置いてそこからツルを這わせる方法では限界があります。きっちりした壁面緑化をしようとすると、壁に土壌を取り付け、そこに植物を付ける必要があります。その技術が非常に難しく、さらに水やりについても自動化をするのが普通ですが、結構これが難しいものです。これを行うには造園の技術以外に配管や制御等の専門的な技術が要求されます。


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屋上・屋根緑化の特徴

屋上緑化実習
疑似屋上を使った屋上緑化実習
コンクリート面へ芝をはる実習をする

屋上や屋根への緑化は耐荷重の問題があります。屋上に土壌をのせさらに植物を植え水を撒くのですから、相当な重量になります。屋上や屋根緑化では軽量土壌という特殊な土壌を使用したり、根が建物を傷めないような工夫をする必要があり、専門的な知識と技術が要求されることは言うまでもありません。樹木を植えることもありますが、薄い土壌で生育させるための工夫が必要です。


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環境緑化の効果測定

屋上緑化の効果
上の場所をサーモグラフィーで測定
緑化部分が青く、冷えていることが分かる

当校のカリキュラムでは環境緑化がどの程度環境に良いかを科学的なデータで示す実習を行います。自分たちで施工した屋上緑化などを様々な測定器を駆使し、その効果があることを確認します。施工の仕方や材料により費用、効果が変わってくるので、緑の機能を数値化して見ることは意義があります。


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