オープンキャンパス

公務員試験合格者の声

関東森林管理局福島森林管理署

自然環境保全科 / 2016年卒

堀澤 凌甫さん

仕事内容を教えてください

2016年台風9号で起きた土砂崩壊現場での調査
関東森林管理局福島森林管理署の治山に関する業務

国有林の復旧を行うための調査

僕は治山グループに所属していますので、台風などの災害により発生した、国有林の土砂崩壊地の復旧を行っています。まずは土砂を取り除き、車が通ることができるように道路を確保する工事を最優先に行います。
土砂崩壊地の調査では、主にコンパス測量を用いて距離・方位・角度等の調査を行い、被害面積等を算出します。高低差や構造物の位置を決めるための測量を行う事もあるります。測量したデータを用いて図面を作成し(AutoCAD)、見積りを出して災害申請の手続きを行います。

復旧工事について

復旧工事は委託を受けた民間の企業が行っていますが、工事が設計通りに進んでいるか、現場で立ち会い確認を行っています。また、工事が終わった場所のデータは、図面制作ソフトのAutoCADで作られた崩壊地の図面に入力し、修正を加えていきます。東日本大震災の被害現場は少しずつ復旧工事を行っているため、未だに改修が終わっていません(※2016年時)。

国有林と民有林の境界の調査

数年かに一度の調査ですが、今年は僕が担当しています。国有林の境界には見出標という印がありますが、見出標が草に隠れてしまいわからなくなってしまうことがあるので、コンパス測量の道具を使って、距離や方位を確かめながら見出標の確認を行っています。

環境教育

同じ署のふれあいグループが行っていますが、僕も補助としてイベントに参加しています。最近では「こども樹木はかせ」という環境教育イベントで、樹木の種類を子どもに教える担当をしました。

保安林の伐採申請の手続き

必要な工事を行うための、保安林の伐採の申請を行います。伐採の場所、樹種や林齢、本数等が書かれた申請書類について、伐採ができる保安林なのか、本数に問題はないか等、保安林台帳を見て、申請内容が保安林管理計画の範囲内であるかのチェックを行います。また、県知事等に提出する申請書は、WordやExcelを使って作成しています。

仕事の魅力・大変なことは?

もともと外で仕事をしたいと思っていて、当時の仕事をやめてJ-ecoに入学しました。だから今は外に出れる仕事につけてとても嬉しいです。国家公務員でこんなに外に出れる仕事は他にないのではないかと思います。国家公務員であり、なおかつ外に出れるというのはとても魅力だと思います。
また研修が充実しており、やったことがない仕事でも研修を受けてから行えるため安心して業務に取り組めます。

林業は木を切って一般的には自然破壊というイメージがあるかもしれませんが、木に二酸化炭素を固定させ、それを切って国民が使い、また木を植える。これらを行えば二酸化炭素を減らし地球温暖化の防止に役立っていると思うし、林業の活性化も行えるのではないかと感じます。 また、土砂崩れ等の災害の被害を受けている生活路の復旧に関わっているため、国民の生活に関しても役立っていると思います。

大変なのは国有林の境界を確認する仕事ですね。道がないようなところでもコンパスを担いで測量を行いました。国有林の境界の印となる見出票が草に埋もれていて見つからなかったりするため、距離や方位を確認しながら探し出すのが大変でした。

仕事をする上で必要な技術はなんですか?

学生時代の堀澤君。植物を専攻していました。

事務の仕事では、森林の管理簿等を見ながら書類の数字等の確認等を行っています。きちんと書類を仕上げる能力が必要です。誤りがあるといけないので、大雑把な人は向かないと思います。

申請書を作るため、wordやExcelも使えた方がいいですね。特にデータをまとめる時にExcelはよく使います。事務の仕事も多いため、体力はあまりなくても大丈夫かなと思います。

僕は学生時代に植物を専攻していたのでの、樹木に関する基礎知識があり、森林教育のときは教えやすかったです。また治山グループで仕事をする上では、測量の知識が必要です。崩壊地の図面の修正等を行う事もあるのでCADが使える方がよいと思います。自分はCADの授業を取っていなかったので、最初はCADの操作に苦労しました。

公務員試験を受験したときのことを教えてください。

2年生になってほぼ毎日、ファーストフード店で夜中の1時まで勉強していました。図書館だと逆に静かすぎて集中できないし、早い時間に閉まりますよね。家だと誘惑するものがたくさんあるので勉強できませんでした。勉強は辛くなかったです。辛くなったらやめるし、寝るようにしていました。1年間勉強しただけでは難しいのでは?と言われたことがあって、くやしくて、合格して見返したいという気持ちが原動力となりました。

試験内容については、試験の配点の高い林業分野をもっと時間をかけて勉強しておけばよかったです。教養分野に時間を割きすぎてしまいました。環境関連法も身に入っていなかったのでもっときちんと勉強していればよかったです。

この職種を目指す人にアドバイス

新人の時は約3年ごとに転勤があります。田舎に行くことも多いため、様々な土地に行くことを楽しめるかどうかも大事だと思います。僕は面接で「全国転勤があるがどう思うか」という質問に、はっきりと「はい」(どこにでも行く)と答えたことが大きかったと思います。

実際にこの仕事に就いてみて、さまざまな研修を受けることができたので、初めての部署・仕事でも大丈夫です。新たな部署で働くことでさまざまな経験ができます。たくさんの経験を積んだ中で希望を出すこともできるので、自分があっている・向いていると思う場所で働くこともできます。 逆に移動が多いのでそれでも大丈夫な人、地方に飛ばされても田舎暮らしを楽しめる人がよいと思います。現場に出ることも多い仕事ですし、J-ecoの学生は、自然の中で働きたいという人が多いと思うのでがんばってください!

※インタビューは2016年時の内容です