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樹木医になろう!
樹木医とは
樹木医は、(一財)日本緑化センターが認定する資格です。しばしばテレビなどで巨木や天然記念物の樹木を治療している樹木医の姿が放送されていると思います。天然記念物になるような樹木は数百年という単位で現在に至っているため、もし枯死させてしまうと取り返しがつきません。近年のバイオ技術では遺伝子の保存やクローンによる増殖などが可能となっていますが、結局のところ大木までにするには数百年かかります。そうならないように専門の知識と技術を持った樹木医による診断と治療が望まれます。
仕事として樹木医だけを専門にやっている人や企業は多くないようです。通常、造園などの日常的に樹木を取り扱う業種で働いていて、その業務の一環で木を診断・治療をする方が多いようです。ですから、樹木医の技術を発揮できる職場の多くは造園業やそれに類する会社に限られてくると思います。一般的な造園の知識と技術が伴わなければ、学校を卒業して樹木医の技術を使うような仕事に就くことは困難になると考えられます。
造園業等で日々樹木を管理している職人であれば、樹木の状態を把握し管理していく中で必要に応じて病害虫の対策などを行います。しかし、樹木医学の知識と技術を使えば、今までのような長年の勘に頼った樹木管理から一歩進んだ科学的な「樹木医学的アプローチ」をすることが出来ます。さらに樹木医の資格を持つことになれば樹木診断と治療のエキスパートとして認められ仕事に役に立つはずです。
木を診るために必要なこと、木の健康を保つために
樹木の名前と生態を知ることから

樹木の種類により当然性質が違います。種類については造園で使用する樹木だけでも数百種類に上ります。またそれぞれの樹種で生態が異なりますから覚えるのは大変です。本校の授業では名前を調べる方法から始め、代表的な樹種については、本校の造園実習棟で現物の樹木を観察し、管理作業をしながら覚ます。また、必要に応じて顕微鏡を使用し細胞レベルでの観察をする実習も行います。
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病害虫の種類と解決策

樹木には様々な昆虫が集まりますが、全てが害虫ではなくむしろ害虫を食べる虫(益虫)もいますから、何でも構わず農薬を撒けば良いというわけではありません。さらに種類によって有効な農薬も違いますから、確実に昆虫の名前を識別する必要があります。病気についても同じです。土壌の殺菌のし過ぎは有用な菌を一緒に殺してしまうので、地力が落ちることにもつながります。
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生育環境の調査と改善

樹木も生きものですから、酸素が必要です。特に根の部分に必要な酸素が届かない場合「根腐れ」の原因ともなります。植物の生育環境、特に土壌については、物理化学的な側面から調査しその結果に基づき土壌改良を施してやる必要があります。実習では土壌中の保肥性や気相率、水はけ(透水性)等を調査し、土壌改良の方法について学びます。
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日頃の適切な管理

街を歩いているとほったらかしの木をよく見かけ、残念な気持ちになる。毎年の整姿剪定は木の形(樹形)を整えるだけでなく、風通しを良くすることにより病害虫がつきにくくなる。この整姿剪定は樹種の違いや目的により、やって良い時期と悪い時期があるので注意が必要である。また、切り方を誤ると樹勢を弱めることになるので正しい方法と道具で行う必要がある。
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樹木診断(倒木危険度判定)

何らかの原因で幹の一部が腐朽(ふきゅう)し倒木の危険があるかを判定するのが腐朽診断です。樹木が倒れた時に人に当たると大変なことになりますから安易な判断はできません。幹の内部を特殊な機械で測定したり、ファイバースコープを用いて直接のぞいたりして判断します。倒木の危険がなくとも腐朽部位については殺菌処理や水の浸入を防ぐための処置などを施します。
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樹木医補は樹木医になるための近道
樹木医になるには実務経験が必要で、一般の人の場合「樹木の保護・管理、診断、治療等に関する業務経歴が7年以上」無ければ受験資格がありません。しかし、樹木医補の資格を取っておくと実務経験の期間が7年から1年へ短縮されます。
本校では下記の2つの学科どちらかで所定の科目と単位数を取得すると、卒業と同時に樹木医補として認定(要申請)されます。
- 環境創生農学科
- 自然環境研究科
造園や植物を取り扱う職業を目指すならば環境創生農学科がオススメです。広く自然環境についても学びたいのであれば自然環境研究科がオススメです。環境創生農学科で造園技能検定2級や建設機械等と合わせて資格取得をしておくと「樹木を診る仕事」への可能性が広がるでしょう。
樹木医補取得後、1年間の実務経験を積むといよいよ本番の樹木医の資格取得です。これには毎年開催されている樹木医研修会に参加し、講義・実習をうけ、その都度ある試験(筆記)と最終面接をクリアーすれば樹木医の資格を取得することが出来ます。